田植えの基本的な手順を解説!田んぼの準備から植え付けまで

農作業

この記事では、田植えの基本的な手順をまとめています。

田植えまでの田んぼの準備から、稲の苗を植え付けるところまで解説しています。その他にも田植えの時期なども合わせて紹介しますので、ぜひ参考に読んでみてください。

田植えの種類|手植えと田植え機

お米づくりの中でも重要な工程のひとつが「田植え」です。田植えとは、田んぼに稲の苗を植え付ける作業のことです。

昔は田んぼの中に入ってひとつひとつ手で植えていく「手植え」を行っていましたが、現代では田植え機を使って植えていく方法が一般的となりました。

田植え機は、田植え作業に特化した農業機械です。手作業の時間と労力を省いて、効率的に田植えを行うことができるため、とくに大規模な田んぼで活躍しています。

手植え…稲の苗を手で1本ずつ田んぼに植える方法。田んぼの状態に合わせて、苗の配置や深さを細かく調整できる。田んぼの中はぬかるんでいるため歩きづらく重労働……。
機械植え(田植え機を使った場合)…機械植えは、「田植え機」と呼ばれる田植え専用の農業機械を使って行われる。歩行型と乗用型がある。稲の苗を一定の間隔で機械的に植え付けが可能。

田中農場では、手で苗を植えていく「田植え体験会」を2023年に開催しました。

田んぼで作業している様子や手植えのコツなどをレポートにまとめていますので、良かったら「田植え体験会レポ―ト!大自然の中で手植えに挑戦」も読んでみてください。

田植えの時期

田植えの時期は、春から初夏にかけて行われます。具体的な時期は、地域や気候などによって異なりますが、一般的には4月~6月にかけて行われることが多いです。

田植えをするには、稲の苗が田植えに適した大きさまで育っているかという点も重要です。その他には、気温や降水量などを考慮して行われていますね。

田中農場の田んぼは約120ha(東京ドーム約25個分!)なので、5月~6月の間におよそ1カ月かけて田植えをしています。

田植えの流れ・手順

ここからは田んぼ準備から稲の苗の植え付けまで、田植えまでの流れを紹介します。

田植えまでの手順
  • 田起こし(1回目 荒起こし)
  • 畦塗り
  • 基肥
  • 田起こし(2回目 仕上げ)
  • 入水
  • 代掻き
  • 田植え

田起こしから代掻きは、田んぼの準備です。田植えをする前に順番に行っています。

田起こし(たおこし)

田起こしは、水を抜いて乾燥した状態の田んぼを深く掘り起こす作業です。

稲のわら、雑草などを巻き込んで土を耕すことによって、土の酸素や栄養分の循環をうながし、土壌を整えます。稲の成長をサポートし、水や栄養の吸収しやすい環境にする目的があります。

田中農場では、田起こしを2回にわけて行っています。

1回目は荒起こし。表面に残っている稲株や草などを土のなかへ荒く混ぜこみ、微生物に分解してもらいます。2回目は分解されたものをさらに混ぜ、より細かい土に戻るようにするための仕上げ作業です。

基肥(きひ)

肥料をまき、耕運機などで混ぜ合わせます。田中農場では、鳥取の肥育農家さんの牛糞などで作っている自家製の国産堆肥を使っています。

自然由来のものなので、化学肥料にくらべて効果はゆるやかですが、作物にも人間の体にもやさしい肥料です。

畦塗り(あぜぬり)

畦塗りでは、田んぼに貯める水が漏れ出さないように、田んぼを囲っている土の壁に泥土を塗ります。簡単にいうと、田んぼの防水加工ですね。畦塗りは、田植えの1~2カ月前に行われることが多いです。

入水

代掻きの1~2日前に、農業用の水路などから水をひいて田んぼに水を入れます。水量は田んぼ全面が、軽く浸かるくらいが目安です。

代掻き(しろかき)

代掻きは、田んぼに水を入れた後に攪拌する作業です。この代掻き作業の目的は、田植えをしやすくするためですね。

土を細かく砕いて柔らかくし、平らにして水の深さも均等にします。田植えの1週間前くらいに行い、代掻き後は田んぼの土壌を落ち着かせるために、田植えまで3日ほどあけます。

田植え

田んぼの準備が整ったら、いよいよ田んぼへの植え付けです。大きく育った稲の苗を田んぼに植え付けます。

植え付けの際は、苗と苗の間隔・植え付けの深さなどに気を付けなければいけません。品種や作業性によって変わってきますが、植え付けの深さは3cm前後が一般的です。

田中農場では、ポット苗を使って田植え用の苗を育てています。じつは田植え機もポット苗専用なんですよ。根を切らずに植え付けできるので、強く稲に育ってくれます。

この田植え機は、真っすぐ進むときは自動運転になります(ターンの時は手動)ハンドルから手を放して、次の苗をセットできるのですね。止まらずに田植え作業し続けられるため、効率的に田植えを進められます。

下の動画は、田植え機で田んぼにポット苗を植え付けている様子です!

https://youtu.be/2b9diaLl-ts

ポット苗についてくわしく知りたい方は「ポット苗を活用した強い稲の育て方|マット苗との違いも紹介します」をご覧ください。

田植え作業の注意点

田植え作業を安全に行うために、つぎのポイントに気をつけておきましょう。

  • 条件の良い日(晴れた暖かい風のない日)選ぶ
  • 田んぼは足もとが滑りやすいので、転ばないように気を付ける
  • 田植え機を動かす時は周囲に人がいないか確認する
  • 田植え機が正常に動くか点検しておく

大きな事故やけがにつながらないように十分注意しておくことが大切です。

まとめ

今回は、田植えまでの手順・流れについて紹介しました。田中農場では、みなさまに作物本来の美味しさを味わってもらうため、作業の手間をかけても丁寧な米作りに励んでいます。

田中農場の場合は管理している田んぼの面積が大きいため、ひとつひとつの作業にも時間がかかってしまいます。

そこで、田起こし・基肥などそれぞれの作業を分担して同時進行で進めながら、準備が整った田んぼから田植え作業をしています。田植え機が使えるようになった今でも、農家にとって田植えは一大イベントです……。

この記事から田植えの流れをつかんでいただければ、うれしいです!

米作りの全体の流れについては、「美味しいお米ができるまで!米農家の年間スケジュールと作業の流れ」にまとめていますので、良かったら読んでみてください。

2023年度産新米販売スタート!

田中農場の2023年新米開始 今年も新米の季節がやってきました🌾新米の販売を開始しました。もち米は11月より順次発送となります。お届けは精米したての新鮮なお米をお送りします。ご購入価格が5,000円(税込)以上は配送料無料にてご購入可能です。

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