お米づくりの種もみ準備|種もみ選びから催芽までの流れを解説

田中農場の苗づくり前編 良いお米は良い種籾から!田中農場のたなもみのこだわりをご紹介 種籾準備の浸種をしている様子 農作業

みなさん。お米ができるまでの流れや、食卓にお米が届くまでどのような作業があるのか知っていますか?
お米づくりは、みなさんの食卓にお米が届くまでに、本当にたくさんの時間と作業が行われているんです!

このブログでは、お米づくりに関連して、良いお米をつくる上でとても大切な「種もみ準備」への田中農場のこだわりをご紹介します!

はじめに 種もみ準備とは

鳥取・田中農場の元気に育った稲穂

お米づくりは、種にするお米「種籾(たねもみ)」を採取・準備するところからスタートします。
種もみ準備は、充実した苗を育てるために種まき前に行うもの。

準備する種籾には、秋の稲刈りの際にできの良い種籾を採取する「自家採取」「採取農場」から種籾を購入するパターンがあります。
毎年田中農場では、お米づくりに力を入れている富山の農場から10キロほどこしひかりの種もみを購入しています。
その種もみを20アール(20a)に植え付けて育て、「翌年のタネ」を育てています。
田中農場は、自家採取の種もみが山田錦・ひとめぼれ・もち米。採取農場の種もみが、こしひかり(富山)・ぎんおうみ(滋賀)になっています。

種もみ準備の工程(予措)

種もみ準備の工程には、「選種→消毒→浸種→催芽」の手順があります。
この一連の種もみ準備の工程を予措(よそ)と言います。種もみ準備の手順に沿って、順番に解説していきます◎

1. 選種|良質な種もみを選別する

充実した苗を育てるためには、良質な種もみを選別する必要があります。これを選種(せんしゅ)と言います。

良質な種もみとは、種もみの中身である胚乳(はいにゅう)が多い・充実している種もみのこと。
胚乳は、発芽から初期生育にかけて必要な栄養源なので、この胚乳が多い方が良いのです!
また、胚乳が充実した種もみは発芽率が高く、根に活力があり、活着にも優れています◎

選種は、一般的に「塩水選(えんすいせん)」と呼ばれる方法で行います。
一方、田中農場では「グレーダー処理」と呼ばれる方法で選種をしています。
グレーダー処理とは、ライスグレーダーと呼ばれる機械で砕けた米や屑米(くずまい)、ごみなどを取り除き、良い種もみを選別する方法です。
ライスグレーダーで、胚乳が多く充実している良い種もみを選別していきます♪

2. 種もみの消毒

田中農場の種籾準備の作業 種もみを湯温消毒している様子

種もみには、病原菌がついている恐れがあります。
病原菌とは、ジベレリンという植物ホルモンが出すホルモン。
ジベレリンが種もみについてしまうと、通常の何倍も稲が長く伸びてしまったりと稲の成長に影響を与えます。それを防ぐために、種もみを消毒していきます。

通常は、薬剤液に1日〜2日つけて種もみを消毒しますが、田中農場では、薬剤液を使っての消毒でなく、お湯による消毒「湯温消毒」で種もみの消毒をします。
なぜ薬剤液を使って種もみを消毒しないのか?それは、みなさまにより安心・安全でおいしいお米をお届けするためです。
苗を育てる前の段階であっても、薬剤や化学肥料を使わないことを心がけています◎

3. 浸種(しんしゅ)

田中農場の種籾準備の作業 種もみを浸種している様子

浸種とは、発芽を早めて揃えること。種もみを一斉に発芽させるために、種もみに十分に水を吸収させる作業です。

水を吸収した種もみの重さは、乾いた種もみの25%以上。水温は11℃〜13℃、日数は「水温×日数=100」が目安です。
重要なのは、日数よりも温度。温度を11℃〜13℃よりも高い温度にすれば、計算上浸種をする日数は短くなりますが、それでは種もみの発芽をそろえることはできません。
適した水温で、種もみに十分に水を吸収させることが大切です◎

4. 催芽(芽出し)

田中農場の種籾準備の作業 種もみに幼芽と幼根が生えてはと胸状態になっている様子

催芽とは、種をまく前に発芽を始める状態にすること。浸種の終わった種もみを30℃〜32℃のぬるま湯に一日浸します。
そうすると、種もみに幼芽と幼根がすこし生えた「はと胸状態」となり、発芽が揃うようになります◎下記の【催芽の様子】の動画でもご覧ください。

今日のブログは、良い苗・お米を作る上でとても大切な「種もみ準備」の作業内容と、種もみ準備への田中農場のこだわりをご紹介しました。
みなさんの食卓にお米が届くには、道のりはまだまだ!

4月22日の現在も、みなさんに美味しいお米をお届けするため、日々心を込めて農作業しています!これから暑くなりますが頑張っていきますよ〜♪

お米づくりの全体の流れや作業内容は「美味しいお米ができるまで!米農家の年間スケジュールと作業の流れ」にまとめています。

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この記事を書いた人
ライター
田中農場日誌編集部

田中農場のスタッフにより、お米や野菜の豆知識、おすすめレシピ、日々の農場の様子などを発信しています。鳥取から全国のみなさまへ「作物本来のおいしさ」をお届けできるように頑張っています!

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