ポット苗を活用した強い稲の育て方|マット苗との違いも紹介します

農作業

この記事では、田中農場で採用している「ポット苗」を使った水稲栽培の苗の育て方を紹介します。

ひとつひとつ独立した穴に種をまくため、しっかりと栄養を吸収して太い根を持つたくましい苗に育ちます。

一般的によく利用されている平たい育苗箱で育つ「マット苗」との違いも解説しますので、ぜひ参考に読んでみてください。

水稲栽培のポット苗とは?

田中農場では、化学肥料は使用しない・農薬もできるかぎり抑える特別栽培米を作っています。

この米作りの中で丈夫な苗を育てるために欠かせないのが、みのる産業(岡山県)の育苗システムを活用した「ポット苗」です。

ポット苗というのは、小さな穴が独立している根鉢つきのポットで育てた苗のこと。

ポット苗の特徴

ひとつの苗に対してひとつのポットが割り当てられており、苗を一定の密度で育てられます。

また根がのびのびと発達するため、病害虫や悪条件にも耐えられる苗に育ってくれるのです。

  • 苗箱 小さな穴が独立しているポットがつながり一体化している
  • 種まき 専用の播種器で1穴に2~4粒をまく
  • 育苗 葉齢4.5葉以上の成苗まで育てられる
  • 田植え ポット形状のまま、根を切らずに押し出すようにして植えていく

田植え時にも根を切ることなく植えられるので、田んぼへ着きやすく、また雑草にも負けない太く強い稲に育ちやすい、という特徴があります。

お米の有機栽培・無農薬栽培に適しているとして、近年注目を集めています。

参考|みのる産業株式会社 みのるポット成苗移植システム

田植えにつかう苗「ポット苗」と「マット苗」の違い

田植えにつかう苗にはいくつか種類があるのをご存知でしょうか?

「ポット苗」と「マット苗」は、どちらも稲の苗を育てるために使われている方法ですが、それぞれ栽培方法などに違いがあります

「ポット苗」は先ほど説明したように、独立した穴(ポット)に種をまいて苗を育てていく方法です。それでは次にマット苗について見てみましょう。

マット苗とは?

「マット苗」は、平たい苗箱に土をひいてパラパラと種もみをまき、苗をまとめて育てる方法です。

多くの米農家で、よく使われている苗の育て方ですね。

(最近では省力化のために土の替わりにスーパーで売られているカイワレダイコンのようなマット(レキメンマット)に根をからみ合わせる苗が普及しています。)

マット苗はその育った苗箱のまま、形を崩さずに田植え機に並べられ、機械によって苗を切り取りながら植え付けられます。

しかし、ひとつの苗箱の中で多くの苗が一緒に大きくなるため、ポット苗と比較すると窮屈になったり根が発達しづらい傾向があります。

  • 苗箱 平たい苗箱(田植え機にあわせて規格化されたもの)
  • 種まき 苗箱にまとめて種をまく
  • 育苗 苗箱で複数の苗が育つ
  • 田植え 田植えで行う場合は、根を切って植え付ける

稲の苗を密集した状態で効率よく育てられることなどから、マット苗は米農家にとって便利な育苗方法として広く使われています。

田中農場のポット苗

田中農場では、ポット苗専用の育苗箱を使っています。

小さな穴が一体化された育苗箱になっていて、その各穴に2~4粒ずつの種をまきます。

その種まきを終えた苗箱を、専用の田んぼに置いて育てています。田んぼの豊富な堆肥の栄養分とミネラルをたっぷり吸って育つので、ポットの中でしっかり根付き強くて太い質のよい苗になってくれますよ。

コストと手間がかかっても、ひと株ひと株を大切に強く育てるのが田中農場の方針です。

ポット苗はポットの中にしっかりと根をはっているため、その根を切り取ってしまうことなく田植えを行います。

ですので、根の痛みも少なく田植え後の活着もとてもよくなります。また、ポット苗は草に負けくいので雑草が生えてしまうのを抑制もしてくれます。

上の写真は、田植えをする際にポット苗専用の田植え機にセットしているところです。大きくなった苗がたくさん積まれていますね。

ポット苗は根をそのまま残して田んぼに植えられていきます。しっかり根が発達しているので、田植え後の成長も早いです。

真っすぐ植え付けられていて気持ちがいいですね。

田植え後は水の管理の徹底によって、苗が大きく元気に育ち美味しいお米になるまで、しっかりと管理を行います。

下の動画は、ポット苗で行っている田植えの様子です!

まとめ:根がしっかり伸びて強い苗に育ちます

田中農場の所有する田んぼは、全体を合わせると125ヘクタール(東京ドーム約25個分)になります。そのすべての田植えを約1ヶ月程度かけて行います。

栽培する品種は、こしひかり、ひとめぼれ、プリンセスかおり、山田錦、きぬむすめ、はくともち、みつひかり、それぞれの品種に合わせたタイミングで手早く田植えを行っています。

とはいえ、広大な田んぼを管理していると、田植え時期に多少ズレがでてきます。みのるポットで育ったポット苗は根がしっかりとしているので、ぐんぐん成長してくれるのですね。収穫時期には追いついています!

規模拡大しても対応できている理由のひとつに、ポット苗があると言えるでしょう。

田植えを終えたばかりの田んぼの水面にそんな夕焼け空が映り込み、ほんの一瞬のひと時でしたが息を飲むような夕焼けの情景が広がりました。

水田に水を張って稲が育つ前の今時期だけの景色に心癒されます。

田中農場の米作りの全体の流れは、「美味しいお米ができるまで!米農家の年間スケジュールと作業の流れ」にまとめています。どんなふうにお米が作られているか知りたい方は、ぜひ読んでみてください。

2023年度産新米販売スタート!

田中農場の2023年新米開始

今年も新米の季節がやってきました🌾新米の販売を開始しました。もち米は11月より順次発送となります。お届けは精米したての新鮮なお米をお送りします。ご購入価格が5,000円(税込)以上は配送料無料にてご購入可能です。

2023年の新米はこちら>

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